Interview

太田 千絵氏

大塚:太田千絵さんにお話を伺います。よろしくお願いします。
千絵さんは新卒でANA客室乗務員、転職しパソナ南部さんの秘書、グループ会社の社長をされ多くの方々にお会いする機会が多かったと思います。仕事でコミュニケーションをとる際に気を付けているのは、どのようなことでしょうか。
太田:最初の仕事の時は、初めて会うクルー、初めて会うお客様とご一緒することがほとんどでした。まずは気持ちの良い挨拶、会話を交わすうちに、相手がどのようなタイプか、どんなコミュニケーションを望んでいるのか(あまりしゃべらない、会話したい、ほっとかれたい、必要な時にすぐきてほしい・・・etc.)をさぐり、できるだけ希望を察知して対応するようにしていました。言葉だけではなく、しぐさふるまいにも注意してコミュニケーションをとっていました。
それは、秘書に転職してからも非常に役立ちました。代表の業務補佐をするときも、体調や気分を察知し、また、取締役や各グループ企業の社長たちの希望や要望を、うまく一言添えて代表に報告することで、時間調整や、スケジュール入れなどに活かしていました。

大塚:では人に伝える時に気を付けているのは、どんなことですか?
太田:業界用語、横文字はできるだけ使わず、主語を必ず入れて話すようにしています。小さい子からお年寄りまでわかるように、ゆっくり相手の表情や相槌などで理解を確認しながら伝えるようにしています。話したいことを一方的に伝えようとすると、自分がわかっているのでいろんなことを端折って話してしまいがちになるので、そうならないよう注意しています。

大塚:仕事を問わず、どのような人と一緒に働きたいと思いますか?
太田:一緒に働きたい人は3つのことが出来る人です。
① 会った時に、明るく目を見て元気に挨拶ができる方。
② 自分のこだわりに執着しすぎず、与えられた仕事も(いやな気持を表に出さず)最後まで頑張れる気持ちを持った方。やらされ仕事はチャンスだと思うので、やらされていやな業務をそういうそぶりを見せずにやりきることが自分の希望の業務に早くたどり着けると思っています。
③ 最後までやりきる粘りとあきらめない明るい気持ちがある方

大塚:代表として多くの人に会ってきたと思います、どんな方に内定を出しますか?
太田:大きく2つの点でしょうか。
 ① この会社で働きたいという意欲があり、その気持ちを自分の言葉で伝えられる人。
 ② 元気で明るく、自分は運がいいと思っている人

【CAは転職登録お断り?!】
大塚:千絵さんの職歴に戻りますが・・・改めて、なぜCAからパソナへの転職されたのか教えてください。
太田:30歳のころ、ANAの国際線CAとしてチーフパーサー業務やF/C業務の経験を積んでいたなかで、健康面、キャリア面でこのままCAでよいのかという思いがありました。たまたま人材会社をやっている友人がいたので、普通の会社の仕事をしたことがないので転職できるか不安だと相談しました。じゃあ、アルバイトで事務やってみる?ということになりANAには内緒で、週1、2日アルバイトで事務職を経験しました。
その後「会社作っちゃえばいいじゃん!」という軽いノリのその人材会社社長の口車に乗り(笑)フライト先で『有限会社を作る方法』など等を読み漁ります。当時は有限会社が安く作ることが出来ました。
転職の希望はより強くなったのは、2001年9月11日アメリカ同時多発テロを航空業界内部で経験したことです。特に次が決まっていないまま、なんとなくANAを退職しました。失業保険をもらいながら失業訓練校に通い、なんとなく転職活動をしていました。
そんな中、リクルートに転職の登録に行くと、まさかの登録お断り!当時CAはパソコンもできず、一般的な会社の社内業務に適応できないと思われていたため、商品にならないということで登録すらできなくてショックでした。
仕方なく派遣会社に登録に行って、経験はないけど一般事務の仕事がしたいと希望をしたところ、紹介されたのは受付の仕事ばかりで、希望の一般事務の仕事は未経験だから紹介できないといわれました。それでも自分で何社か直接応募して面接を受けた会社はありましたが、最終的に内定は0、もらえませんでした(涙)。
ANA退職後の自分の境遇や、とてもいい大学を卒業し英語も堪能な先にやめた元CA同期たちも、転職活動ではかなりの苦境を経験しているのを聞いていました。そこで!これは、自分で元CAの転職をサポートする会社を作るしかない!と、自分で人材会社を作ることを決意します。この時まだ無職ですが、私は会社を作って社長になると宣言していました(恥)。

大塚:ヤル気に満ちていますね!実際どうなったんですか?
太田:実際…資金も仕事もなく、人材会社の運営方法もわからない状況で、当然人材会社など作れるはずもなく、とりあえず、人材会社にでも就職して、業務内容を勉強しに行くか…と思っていたんです。その時、ANA時代から可愛がっていただいた方から、無職で貧乏しているだろうから、ご飯食べに来なさいとのお誘いがあり、ご自宅にお邪魔することになります。奥様ともども可愛がってくださって頂いている方でした。
そこで就職活動の状況報告と、自分で会社作るという話をしたところ「じゃあ、営業の仕事とかがいいよね。秘書じゃ社長になれないから、営業の仕事を探してみたら」と言われます。
「なるほどー!営業ね!」と思っていたら「そうだ!僕は仕事でパソナという会社と縁があるから、紹介してあげるよ。絶対受かるとは言えないけど、受けてみたら?」と言われたので、お願いして受けることに。

紹介だから受かるかな~!なんてのんきに受けにいったら、クレぺリン検査、EQテスト、役員面接と人事役員面接2時間と、全くコネで受けたと思われない充実な内容でした。
面接では「秘書は社長になれない」という言葉が忘れられず「希望の職種は、営業です!秘書以外であれば何でもできます!」と言いました。そして念願の内定がでて、配属も雇用開発担当となり、やっと転職活動を終えましたが・・・入社してみると、南部代表の秘書でした・・・(撃沈)。

大塚:なんと!(驚)そーでしたか…
太田:パソナは変わった会社で、もともとベンチャー気質がある社員を喜ぶ傾向がある会社でした。私も入社してみたら秘書業務担当ということで、これは早く営業に部署替えしてもらわないと、と思い、担当取締役面談の時「あなたは将来何がやりたいの?」と聞かれたので、正直に「はい。人材会社を立ち上げて、会社を作りたいです」といったら、なぜかとても喜ばれ、社内ベンチャー制度とかあるから「来年のコンテストに応募して頑張って!」と励まされました。

【秘書から突然、人材会社の社長へ】
大塚:良い会社ですね。どうなったんですか?
太田:それが南部代表の耳にも入り「僕の秘書をやっていたら、会社のいろんなことがわかるから、しばらく秘書で頑張って勉強しなさい」と言われます。でも、人材会社の実務とは程遠い業務でしたので、いつかは営業部門に配属かえを…と狙っていました。営業部門の取締役も、その気持ちを汲んでくれていて、そのうち営業部門にと言ってくれていたのですが、私の年齢が34歳になり、会社を立ち上げるなら、最初はうまくいくわけがないので、できれば35歳までに立ち上げないと体力気力的に難しいかもと思っていたので、少し焦ってきました。

そんな折、グループ関連企業の秘書専門の人材会社サンパティックの実質経営をしていた方が、やめたいという話が持ち上がり、次期社長にどうかという話を頂きました。
正直、自分の会社ではないこと、元CAの手助けをしたいということからは少し離れていることもあって、すぐに話を受けるか悩みましたが、代表の、今ある会社を運営、経営していくことが出来なければ、立ち上げて軌道に乗せることはできない、元CAだけではなく、世の女性みんなの手助けをする方が社会の役に立つのだよという言葉で受けることにしました。
話の翌月にはサンパティックに転籍になりました。ただし当時いたスタッフは全員、パソナ関連会社に引き上げるので、私一人で株式会社サンパティックを運営することに…。社長っていうか、最初は、社長しかいない会社だったのです(汗)。

大塚:すごい展開ですね。最後に就活をする人、転職活動する人へ各々メッセージをお願いします。
太田:まず就活する方へ。はじめての就職活動は、自分の理想とすることや、希望とはかけ離れたものになる方もいると思います。多分、自分の価値とか存在とかを深く考えてしまう方もいるかも…
でも、自分が素晴らしい経験ができる会社や場所が必ず一つあると思います。自分を信じて、その一つと巡り会えるようにアンテナを張っていきましょう。
太田:転職をする方へ。人材会社をしていた時、転職をしたい方の相談にのっていましたが、必ず最初に面談する時に聞いていたのは、転職では無く、今いる会社で、部や担当を変えることができる可能性はないのか?ということでした。人は今いるところが自分にあっていないと思うと、会社自体を辞めたくなりますが、会社は様々な部署や仕事で成り立っています。まずは今いる会社で、違う仕事を模索し、それが難しいならば、転職活動を始めましょう。

大塚:貴重なお話をありがとうございました。


太田千絵
福岡県柳川市出身。西南学院大学商学部商学科卒業し全日本空輸株式会社に入社。成田客室部所属国際線客室乗務員として勤務。株式会社パソナ入社、代表取締役社長兼グループ代表南部靖之氏秘書配属を経て株式会社パソナよりグループ関連企業株式会社サンパティック転籍、代表取締役社長就任。株式会社サンパティックを株式会社ネクストキャリアと合併、派遣事業部長。同社を退職し結婚、出産。現在、株式会社ジェブ取締役、一児の母。

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