Interview

柴山 延子氏

大塚:柴山延子さんにお話を伺いします。

大塚:.現在の職種、業界を教えてください。
柴山:社会福祉法人職員(高齢者施設スタッフ、資格:介護福祉士) です。フリーアナウンサーとしても活動しています。

大塚:2つの顔ですね。では、ここまでのキャリアパスを教えてください。
柴山:新卒でトヨタ自動車のイメージレディ、その後TBSニュースバードキャスターになりました。出産を機に働き方を変え、一念発起して介護の勉強を始め介護福祉士を取得、大学院で社会福祉を学びながら現在の職場へ就職しました。

大塚:珍しいキャリアですね!大学生の時、就職活動でこうだったらもっとよかったと思うことがあれば教えてください。
柴山:母も祖母も専業主婦で「女性のキャリア」を描きにくい環境でした。自分の場合はどう考えるのがよかったのか、きめ細かなサポートや情報があれば有難かったかなと思います。

大塚:学生時代の就活の印象は?
柴山:超氷河期といわれ、特に女子大生には逆風だった印象です。私はといえば、行き当たりばったりの就活でした(笑)

大塚:就活で努力したことがあれば教えてください。
柴山:周りよりだいぶ遅れてのスタートになってしまい反省だらけの就活でしたが、最初の内定が出たタイミングで、社会人としての心構えを身に着けようと考え、友人の職場で夏休みの間スタッフとして働きました。

大塚:では現在の仕事と出会ったきっかけは何でしょうか?
柴山:まず、フリーアナウンサーの仕事に出会ったきっかけからお話します。トヨタではショールームでの受付、接客や各種イベントの司会など多岐な仕事がありました。中でも一番好きだったのはナレーション業務でした。ショールーム内の新車のナレーションはおおまかな内容は暗記しますが、その時聞いて下さるお客様の様子に合わせて自由にアレンジをすることができました。ある時、終了時に拍手をいただいたのですが、それを見ていたマネジャーから「拍手が起きるなんて珍しいことですよ」と言葉をかけられて、とてもうれしく、自分の言葉で伝える仕事がしたいと思いました。そして当時スタートしたばかりの24時間ニュースチャンネルのキャスターのオーディションを受けることにしました。在京や地方の局アナを経験してからフリーアナウンサーを目指す方が多かったので珍しいケースだと思います。
次に現在の仕事についてお話します。福祉にかかわる仕事への関心は30歳頃から漠然と持っていました。ただ具体的に考えたのは子どもが生まれた年に東日本大震災があり、その年末に被災地の仮設住宅に暮らす人たちへ取材をしたことがきっかけでした。色々考える中で、介護にかかわる仕事をしたいと専門学校に通い始め、最初の実習先だったのが現在の職場です。
はじめは介護スタッフとしてパート勤務をしていました。そこで新たな事業として認知症カフェを始めるときに声をかけて頂き運営にかかわるようになりました。とてもやりがいのある仕事だと感じ、正規職員として就職することになりました。

大塚:現在の仕事に就く前後で変化はありますか?
柴山:とてもありました。認知症になったり、高齢になって施設で暮らしたり… 一般的にはあまり良いイメージではないかもしれませんが、必ずしもそうではないことを日々の仕事で感じています。カフェは日曜以外毎日営業していて施設内外の様々な方がいらっしゃいます。ある日、出産間もなくご主人の転勤で上京されたママさんが来店され、赤ちゃんが大好きなお年寄りがとても喜ばれました。帰られる時にお礼を言うと「私の祖母が遠方で病気になりまだ子供を会わせらずにいたけれど、ここで皆さんが可愛がってくださって何だか祖母に会えたような気がしました」と話してくださり、その後も度々訪れてくださいました。施設の利用者さんがこのお母さんを力づけてくださったことに感動しました。お年寄りとかかわる中で、私自身の子育ての面にもプラスになったことが多いように思います。

大塚:なるほど、そうなんですね。では大学院に行かれたきっかけは何だったのでしょうか?
柴山:専門学校の推薦制度があり、先生から薦められました。高齢者以外の分野や認知症への関心も深めており、さらに学んでみたい気持ちもあったので進学を決意して進みました。

大塚:行ってみて、いかがですか?
柴山:仕事や子育てもあり思うように学べない不甲斐なさもありましたが、色々な出会いがあったことはとても大きかったです。

大塚:転職・復職の際は、どのようなことを心がけましたか?
柴山:変化を恐れずに、興味が湧くことにチャレンジしてみようと思いました。

大塚:転職・復職に不安はありませんでしたか?
柴山:子どもを育てながら常勤で仕事をすることへの不安はありました。実際に周りの理解・サポートがなくてはできないことだと思います。

大塚:転職・復職に向けて何かやっていたことがあれば教えてください。
柴山:細々とではあるが、仕事は続けていました。また介護の専門学校に通いました。

大塚:楽しい(楽しかった)ことは何でしょうか。
柴山:仕事を通じて多くの方に出会えたことが、かけがえのない財産です。また、子どもを出産したことや成長を見守る日々も、これまでになかった大きな喜びでした。

大塚:大変な(だった)ことは何でしょうか?
柴山:ニュースキャスターをしていた時は、毎年契約の更新があり、多くの人は3年くらいで終了となる中で今後はどうなるのかというプレッシャーは大きかったです。後輩と時には涙しながら一緒に悩み、考えたりしました。

大塚:とっても良く分かります、涙。この話は長くなるので、また別の機会に(笑)。
ご自身では、どのような人と一緒に働きたいと思いますか?
柴山:今より半歩でも向上しようとする気持ちがある人と一緒に働けると楽しいなと思います。

大塚:公私共にいろいろな方々とコミュニケーションを取っていると思います。コミュニケーションで心がけていることがありましたら教えてください。
柴山:3つあります。
・誠実に向き合うこと
・表情など、ノンバーバルな部分も大切にすること
・自分の状態を把握すること、です。

大塚:人に伝える時に心がけていることがあれば教えてください。
柴山:伝えたいことが伝わっているか、相手とのキャッチボールを大事にしています。

大塚: これから就職活動する学生へ一言お願いします。
柴山:私自身、家に自動車がない環境で育ちましたが、ご縁あって最初の仕事でトヨタ自動車と巡り合いました。希望する業界が本当に自分に合っているかを知るためには、枠をはめずに色んなところへ行ってみることも大切だと思います。

ご自身についてお聞かせください。
大塚:子育てしながら働くのは、いかがですか?
柴山:大変なこともあるけれど楽しいです。

大塚:ロールモデルがいたら教えてください。
柴山:母は専業主婦ですが、生き方を学びました。

大塚:ご自身を構成するアイデンティティの要素は何でしょうか?
柴山:女性であり、母であり、職業人であり、研究者の卵であり…と色々な立場を持つ身ではありますが、「いまできることを大切にする」ということのはずっと意識してきたことだと感じています。

大塚:幸せなのはどんな時ですか?
柴山:子どもと過ごす時間です。

大塚:今後のビジョンを教えてください。
柴山:認知症への偏見が強い社会を少しでも変えようと頑張っている認知症当事者の方にお話しを聞いたり、その活動を応援していますが、将来は自分が働く地域でもそのような活動をしていきたいです。

大塚:貴重なお話ありがとうございます。


柴山延子
大学を卒業後、トヨタ自動車のイメージレディを経てフリーアナウンサーに。
TBSの24時間ニュースチャンネル「ニュースバード」のキャスターを11年間つとめる。
現在は、子育てをしながら高齢者施設のスタッフ、大学院生、司会業などに日々奮闘中。

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