Interview

オリビアアソシエイツ合同会社代表 田中 美也子氏

大塚:オリビアアソシエイツ合同会社 代表 田中美也子さんにお話を伺いします。

大塚:現在の職種、業界、仕事内容を教えて頂けますか?
田中:企業様向けに人事(採用や人材開発、組織開発など)にかかわるアドバイスをしているコンサルタントです。業界は消費財、広告、医療など様々です。

大塚:美也子さんのキャリアパスを教えてください。
田中:最初は米国系のIT企業で外人付きのアシスタントでした。そこから米国系銀行で外国人役員秘書。当時は外資系で外国人の役員付秘書というと40代を越える大ベテランの秘書の中で経験も少なく最年少の役員秘書でした。そこから結婚を機に渡米、米国で出産、帰国、米国系ファーストフード企業で役員秘書、経営企画、マーケティングを経て人事のキャリアをスタートしました。
そこから米国系ファンド会社人事マネージャー、米国系コングロマリット企業の人事ディレクター、米国系損害保険会社の人事ディレクター、宝飾系ラグジュアリーブランド人事ヘッド、ヨーロッパ系の製薬会社で人事シニアディレクターを経て人事コンサルタントとして独立、企業をしました。

大塚:なぜHRが専門キャリアになったのでしょうか?きっかけ・経緯などがあれば教えてください。
田中:米国系ファーストフード企業で経営企画の仕事をしていた時に、当時社内に数少ないBilingualと女性ということで多分に米国本社サイドからのリクエストを受けての異動となったようです。自分では最初に興味がないか聞かれた時は、人事が何をするところかのイメージも知識も乏しく、異動を促して下さった本社の人事「私は給与計算よりは、会社のビジョンや会社全体の数字やビジネスの方向性を見ている方が楽しいです。」と答えた覚えがあります。その時にグローバルの人事ヘッドの方が、「人事とは経営であなたがイメージしている人事とは違うと思うから、一度グローバルのHRカンファレンスに来て人事ディレクターやマネージャーと話をして見なさい。」と言われて、カンファレンスに出席しグローバルの人事リーダーと話をしているうちに、「これが私のしたい仕事だ!」と思うようになりました。

大塚:ご自身が転職する際、心配・不安はありませんでしたか?
田中:多分無謀なのか怖いもの知らずなのか、転職する時は不安がないかと言うとウソになりますが、不安や心配よりもその何十倍も何百倍ものワクワクの方が勝ります。日本人としてはかなりの数の転職をしていますが、毎回、常に新しいチャレンジのワクワクがあります。

大塚:仕事で楽しかったことは何でしょうか。
田中:たくさんあります。中でもチームで力をあわせて何かを達成した時と自己の成長を感じられた時が楽しいです。具体的に言うと、例えば人事の中でも採用は成功が目に見えやすく、無理なスケジュールで無理な採用目標をチームで試行錯誤しながら色々なアイディアを出し合いながら目標達成したことでしょうか。 いいチームで仕事する時はいいアイディアが生まれますし、どんな仕事でも楽しめると思います。

大塚:逆に仕事で大変だったことは何でしょうか?
田中:人とのコミュニケーションでしょうか。人事なので人に始まり人に終わる。楽しい事も人から始まりますが、大変なことも人にどう自分の考えや思いを正しく伝わるか。人によって育った背景も経験も感受性も違うなか、適格にしかも短時間で企業のミッションと組織やるべきことを自分の言葉に翻訳して相手が理解しやすいように伝えていくか、これは永遠の課題だと思います。

大塚:HRとして新卒採用では、どのような人に内定を出しますか?
田中:今、きれいにシェイプされた人よりも粗削りでいいから将来、どんなことをしてくれるんだろう?何をしたいのだろうと思わせるような可能性を秘めた人ですね。もちろん、ある程度の基本的な能力があることが前提条件ですが。

大塚:採用面接ではどのようなポイントに注目されますか?(新卒・中途で異なる場合は各々教えて下さい)
田中:新卒では、厳しいようですが、自己分析と自己認識ができているかどうかです。過大評価でも過小評価でもなく正しくご自身の良いところや改善点を認識していてそれを意識して何をしているかを注目します。
中途採用も基本的には同様ですが、それに今までのご経験やスキル、そしてご経験から何を得て現在どんな取り組みをされているかに注目させて頂いています。

大塚:新卒の就活ポイントは何でしょうか?
田中:適格な自己分析をされた上でその企業でどんな貢献ができるのか、自分だったら他の人にはできないこんな貢献の仕方ができるという視点で企業研究をして面接などに臨まれるとよいのではないかと思います。各企業で大変優秀な就活生に皆さんに数多くお会いさせて頂いてきましたが、この会社に入ったらどんなキャリアパスがありますか?どんな研修が準備されていますか?結婚しても働き続けられますか?などどれもとても重要な質問だと思いますが、どれも視点は自分ですよね? 少し視点を変えて、他の人にはできない自分らしいその企業へ自分が考えられる貢献はこんなですというような形で志望動機を語って頂けたりすると企業の採用担当者はしびれます。

大塚:学生時代にやっておいたら良いと思うことを教えてください。
田中:二つあります。一つは自分の好きなこと、ワクワクすることをできるだけ極めること。二つ目はそれを人に伝えること。伝え方は文章でも口頭でもいいです。両方できると入社してから楽だと思います。

大塚:ありがとうございます。では少し話を変えてインターンシップについてお伺います。メリットはどんな点が考えられるでしょうか?
田中:インターンシップの形にもよりますが、会社概要や企業説明会ではわからない会社の組織風土や社員の性格、仕事のスピード感が体感できることです。
できれば2社以上、長めの本格的なインターンシップにチャレンジすることをお勧めします。2社以上はやはりよく比較ができるので、その企業、企業によって使う組織風土の他に使う言葉や上司や同僚との距離感、仕事に対しての向き合い方も異なると思います。

大塚:デメリットはありますか?
田中:特に思いあたりません。

大塚:就職活動する学生へ一言お願いします。
田中:世の中色々な企業があります。人それぞれ個性があるように企業にも個性があります。
素の自分に合う企業を選んでください。

大塚:続いて中途採用についてお伺います。中途採用の場合はどんな人を採用したいですか?状況にあわせてケースバイケースだと思いますが…こんな要素が必要等あれば教えてください。
田中:適格な自己分析をされた上でキャリアパスのマイルストーン毎に自分のテーマがあり、何をやり遂げてきたか、そしてこれから何をしていくかが明確な人です。
今までのご経験やスキル、そしてご経験から何を得て現在どんな取り組みをされているかに注目させて頂いています。

大塚:中途採用面接を受ける前・転職を考える前に社会人としてやっておいた方が良いことは?
田中:一人360度評価に基づく自己分析です。

大塚:女性で結婚や出産などで仕事から離れていた人が復職する場合、仕事から離れている間に、どんなことをしていたら良いと思いますか?
田中:離れている期間にもよると思いますが、仕事が始まったら仕事に集中できる環境、家庭内インフラを確立することでしょうか。仕事のスキルや知識は、お仕事が始まるとわりとすぐに戻る気がしますが、むしろお仕事をする環境を整える方がご苦労をされているように思います。

大塚:これもケースバイケースですが…仕事から離れていた人の復職はどのように考えられるでしょうか?
田中:お仕事を離れる前にどんな仕事の仕方をしていたか、そして復職後どのように働きたいかによると思います。一つの選択肢としてこれからの働く女性に持っていて欲しいのは企業で働くことだけが、選択肢ではないということで。自分のライフスタイルに合わせた働き方があっていいのです。日本はまだまだ働く=企業への就職ですが、欧米ではフリーランスという選択肢や起業という選択肢も沢山あります。その辺りの柔軟性は男性よりも女性の方があるよう思います。

大塚:転職・復職を考えている方へ一言お願いします。
田中:せっかくの機会なのでワクワクできる転職・復職をされてくださいね。

大塚:いろいろお伺いしてきましたが、ご自身では、どのような人と一緒に働きたいと思いますか?
田中:年齢にかかわらず素直でいつまでも何からも学ぶ姿勢を忘れない成長し続けられる人。

大塚:続いてコミュニケーションについてお願いします。HRとして大勢の方々とコミュニケーションを取って来られたと思います。コミュニケーションで心がけていることがありましたら教えてください。
田中:「自分の常識、他人の非常識」自分の尺度と相手の尺度は違うこと、まずは相手を理解すること。話すより聴くに集中します。

大塚:では人に伝える時に心がけていることはありますか?
田中:言語でしょうか。相手が興味をもってくれそうな言葉とアプローチをすることでしょうか。
例えば経営者と話す時とITエンジニア、医師、ラグジュアリーブランドの店長さんと話す時に同じ人事評価の進め方の話をしたくても、話す言葉とアプローチを変えます。
誰しも興味のないことを聞くのは苦手、なかなか集中できないし記憶に残らないと思うので。私は相手が興味をもってくれそうなツボを見つけることから始めます。

最後にご自身についてお聞かせください。
大塚:ロールモデルがいたら教えてください。
田中:大勢いますが、あえてあげると弊社の社名にもなっているOliviaさんです。
4児の母にして偉大な起業化。4人一人ひとりにかける溢れる愛情とすべての物に好奇心を持ちながら学び続ける姿勢と失敗を恐れないCan Do SpiritとAttitude,本当に多くの事を学びました。私が無謀なのは彼女のCan Do Spirit とAttitudeの影響かもしれません。
またコーポレートでは、AIG人事リーダーの松尾美香さんです。
松尾さんからは、女性コーポレートリーダーとしてのリーダシップと信頼するチームの作り方、米国企業での仕事の進め方、母としての子育と仕事の両立、子育てと人材育成の共通点など多くを学びました。

大塚:ご自身を構成するアイデンティティの要素は何でしょうか?
田中:Challengerらしいです。自分でも思いますが、心理テストでもクリアに認められました。いつもワクワク何かにチャレンジしていたいらしいのです。その為に少々?かなりのリスクテイクをしてきたかもしれません。

大塚:幸せなのはどんな時ですか?
田中:家族で過ごす時間。起業をしてある程度自分の時間を自分で自由に管理できるようになって家族との時間も増えました。

大塚:お子さんがいて仕事をするのは、どうですか?
田中:最高に楽しいです!子供が成長するのは当然ですが、子供と一緒に自分も成長できて子供成長とともに会話の内容も変わって行きます。今、最高に楽しいのは、大学生になった息子と一緒に企業分析ならぬ経営者やマーケティング戦略の話をしている時です。最近だとAmazon Goは日本で展開できるかとか、マイクロソフトの日本採用とアメリカ採用の違いなどの話している時です。もちろん、ガールフレンドの話をする時もあります。複雑な思いもありますが楽しいです。
大塚:素敵ですね!そうゆう将来を思い描くだけで幸せな気持ちになれますし頑張れます、笑。

大塚:最後に、今後のビジョンを教えてください。
田中:まずは昨年6月から本格稼働したOlivia Associatesをたくさんの企業に必要とされる人事コンサルファームにすることです。私の無謀な経験が少しでもみなさまのお役に立てれば嬉しいです。 その先は海外移住するとか海外での事業展開をしたいとか、またきっと回りの方々が呆れる無謀なチャレンジを企てるのではと思ってます。

大塚:貴重なお話ありがとうございます


オリビアアソシエイツ合同会社 代表 田中美也子氏
Syracuse University, Bachelor of Professional Study in Knowledge Management
米系IT企業、金融機関で外人付き秘書。米系ファーストフードチェーン企業より人事プロフェッショナルに。人事ディレクターとして米系金融機関3社に勤務。うち1社は在職中に日本企業に売却される。米系宝飾品企業、英系製薬会社を経て2017年よりオリビアアソシエイツ設立。

オリビアアソシエイツ合同会社
人事コンサルティング業務。企業は人なり。ビジネスの結果を出すため、いかに勝つための組織をどうデザインするか、未来のリーダーを早い段階で発掘し、育成するかビジネスに直結する「攻め」の人事を展開するためのご支援をしています。

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