Interview

西根 里香氏

大塚:西根里香さんにお話をお伺いします。よろしくお願いいたします。
現在の職種、業界を教えてください。
西根:ハウスで野菜苗の育苗をしています。主に白ネギ、たまねぎ、レタス、サニーレタス、キャベツの苗を作っています。

大塚:いい写真ですね。伝わってきます。これまでのキャリアパスを教えてください。
西根:高校卒業後、盲導犬の訓練士を3年弱していました。その後、環境保護に興味を持ちカナダとオーストラリアの大学へ留学しました。帰国後は結婚して夫の仕事で長野へ移住し子育てがひと段落したのち、夫の働いていた職場で育苗のパートを始めました。その後、夫の故郷である鳥取へUターンし夫と同じ農事組合法人でパートとして育苗を担当しています。

大塚:学生時代の時、頑張っていたこと熱中していたことを教えてください。
西根:日本で盲導犬の訓練士になれなかったらアメリカに行きたいと思っていたので英語の勉強は頑張っていました。留学中は帰国後、環境保護関連の仕事をしたかったのでインターンでオーストラリアの国立公園でレンジャーの研修をしたり、夏休みに帰国した際に新宿御苑で研修をしたりしました。また卒業後、帰国までの間エコツアーのガイドのアルバイトもしました。

大塚:どのように最初の就職先を選んだのでしょう?
西根:今のようにインターネットがある時代ではなかったので盲導犬協会の連絡先が分からず、まず日本点字図書館に行き日本にある盲導犬協会の一覧をいただきました。そしてその中の日本盲導犬協会に連絡をし、面接をしていただけることになり就職が決まりました。

大塚:お互い、そうゆう時代でしたね(笑)就活で努力したことがあれば教えてください。西根:小学生のころからの夢でもあったので日本で就職できなかった場合アメリカに行きたいと思っていたので高校の時アメリカに1年間交換留学をしました。その1年間で自分をアピールする能力が付き、とにかく訓練士になりたいという情熱を伝えました。その頃は高卒での就活だったので社会というものもほとんど分かっていませんでした。今から思えば若気の至りで怖いもの知らずだったと思います(笑)

大塚:では現在の仕事と出会ったきっかけは何でしょうか?
西根:夫が農業をやっていたので私も興味が沸きやってみたのがきっかけです。

大塚:現在の仕事に就く前と後で変化はありますか?
西根:東京にいる頃は毎日満員電車に揺られて仕事に行くまでにぐったりでしたが今は自然に囲まれていてその頃に比べると気持ちがゆったりしていると思います。
動物が好きで訓練士になったのですが留学中に植物学も勉強し興味を持ち始めました。農業に関わってみて改めて野菜作りの奥深さに驚いています。日々勉強です。自然相手なので毎回絶対同じ環境で作ることができないので難しいですが結果がすぐに出るのでそういった意味ではとても面白いですね。

大塚:実際に転職し働き始めて、いかがでしょうか?
西根:訓練士を辞めたころは、まさか鳥取で農業をしているなんて想像もしたことはなかったです(笑)。ただ昔から動植物は好きだったのもありまた留学中から自然と触れ合っていたいという気持ちが大きくなっていったので田舎で農業をしている今の環境は自分に合っています。

大塚:ご自身では、どのような人と一緒に働きたいと思いますか?
西根:一緒にいると明るくなれるような人。思いやりを持って他人に気遣いができる人。臨機応変な考えができる人。

大塚:これまで楽しかったことは何でしょうか。
西根:留学時代ですね。その間にバックパッカーの旅もして本当に色々な体験をさせてもらいました。人との出会いの大切さもこの時期に学びました。今の楽しみは鳥取という場所で山も海も近く自然の豊かな環境で子育てをできることです。

大塚:これまでの大変だったことは何でしょうか?
西根:最初の盲導犬の訓練士時代ですね。高校を卒業して何も社会を知らずに飛び込んだ世界で打ちのめされました。同世代の友達はまだ大学生で楽しい時期。話をしても分かってもらえるはずもなく…なぜこんな思いをしなければならないのかと辞める数カ月前はどうやってやめるかばかり考えていました。自分で選んだ道だから仕方ないんですけどね。でも今の自分があるのはあの頃の辛い経験があるからですし学んだことは本当に多かったです。

大塚:公私共にいろいろな方々とコミュニケーションを取っていると思います。コミュニケーションで心がけていることを教えてください。
西根:まずは相手の人の話を聞くことですね。

大塚:人に伝える時に心がけていることを教えてください。
西根:自分本位にならずに人の意見を聞きつつ自分の考えを伝えるようにしています。

大塚:ご家族は仕事することを応援してくれていますか?
西根:はい。夫は同じ職場で働いているので理解があります。家事も進んでやってくれるのでとても助かっています。また私の母親は専業主婦だったので自分はあまり手伝いをしていなかったのですが、私は子供たちにもできる限り手伝いをしてもらっていてこの経験が将来に役立てばいいな、と思っています。

大塚:子育てと仕事の両立はいかがでしょうか?
西根:私はパートで働いているのでフルタイムで働いている人よりは時間があると思うのですが、それでも毎日の時間管理は難しいですね。

大塚:ご自身を構成するアイデンティティの要素は何でしょうか?
西根:経験ですね。今までの人生の中で出会ってきた人を通じて人は経験値によって人格が形成されていくのだな、と感じます。年齢にかかわらず様々な経験をしている人は話していても本当に面白いしまた他人の気持ちもよく分かってくれて勉強になります。自分もそんな人になりたいと思います。

大塚:幸せなのはどんな時ですか?
西根:家族と一緒に過ごしているときや、海をぼーっと眺めている時です。

大塚:今後のビジョンを教えてください。
西根:今は農事組合法人で働いていますが数年後を目途に夫と一緒に独立したいです。農業はなかなか儲からない業界ですがまだ開拓の余地のある業界でもあります。野菜を売るだけの一農家としてだけではなくいろいろな可能性も考えて工夫しながらこれからの農業や地域の活性化に少しでも役立てることができればと考えています。

大塚:就職活動する学生へ一言お願いします。
西根:世の中には本当に色々な職場や職種があります。1度就職しても、もしかしたら違う分野に興味を持ち始めるかもしれません。私の場合、高卒ですぐに働き始め、その後海外の大学に行きました。一般の人とは逆でしたが一度働いたからこそ大学時代に分かったことなども多かったです。だからこの就職活動がすべてと思わずに柔軟に対応していくことが一番だと思います。自分の入りたい就職先がなかったら自分で作っちゃえ!ぐらいの勢いで頑張ってください。

大塚:ありがとうございます。では最後に一言お願いします。
西根:私の場合特殊な経歴なのであまり参考にならないと思うのですが、人生無駄なことは何一つない!ということを伝えたいです。私は自分が置かれている状況が楽しかれ、辛かれ、それが終わった時にあー、やってよかったと感じることができればそれは成功だったと信じています。今後は人生100年時代と言われています。まだまだ先が長いので色々な可能性を信じて人生の終わりにもあー、楽しい人生だった!と言えるようにしたいですね。

大塚:貴重なお話ありがとうございます。

西根 里香(Rika NISHINE)
高校卒業後、日本盲導犬協会へ盲導犬訓練士として勤務。その後
The University College of the Caribooへ留学しUniversity of Queensland Australiaへ編入。Diploma in Applied Science Wilderness Reserves and Wildlife専攻、卒業。
帰国後、結婚を機に長野へ5年間移住。その後鳥取へ引っ越し現在は子育てをしながら農事組合法人で育苗に日々奮闘中。

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